SEは上流工程で活躍できるようになりたいと考えることがよくありますが、そのために必要なスキルは実はプログラミングなどのITに関わるものではありません。
ここで勘違いしてほしくないのですが、ITに関するスキルが必要ないと言っているわけではありません。
ITに関する知識やノウハウ、技術などを持ち合わせているのは最低条件なのです。
最低条件が満たされていないのであれば上流工程に関係する資格を取得するなどしてスキルを磨くところから始めましょう。

最低条件をクリアしているのであれば、重要なのは顧客のニーズを正しく理解することです。
上流工程の基本は営業と同じで、顧客が抱えている課題や悩みを解決できるシステムを提案できることにあります。
その提案をするためにはITに関する知識が必要なのは確かですが、そもそも何を顧客が要求しているのかを的確に把握できなければ的外れなシステムを提案してしまうことになるでしょう。
そのため、最も重要なのはヒアリングスキルなのです。

ヒアリングスキルはただ顧客が言っていることを正しく理解するためのものではありません。
顧客の中には説明が下手で、何を意図して話をしているのかわからない人もいるでしょう。
そのような場合にもうまく話を展開させて、顧客のニーズを正しく理解できるように質問を投げかけ、会話を誘導する能力がヒアリングスキルです。
このスキルを身につけていれば顧客の悩みの本質がわかり、その解決に必要なシステムを考案できるようになります。
少しでも誤解があると顧客からは納得してもらえないので、説明下手な顧客の希望も正しく理解できるスキルが必要なのです。
システム開発の上流工程を担っていく上で不可欠なスキルとして早期に磨いておいた方が良いでしょう。