システム開発の工程は、要件定義や設計などの上流工程と、上流工程により決められた仕様を実現させる下流工程の2つに大きく分けられます。クライアントの要望を実現するために、上流工程を担当するのがSE(システムエンジニア)です。

SEの平均年収は約500万円で、IT業界の職種の中では、そこまで高い部類ではありません。平均年収がより高い職種も存在するものの、それでも全業種の平均の約440万円と比べれば、かなり高めな部類です。もっとも、SEとして働けば、誰でも年収約500万円を実現できるわけではなく、給料が伸び悩むこともめずらしくはありません。

SEに限った話ではありませんが、都会は基本的に給料が高く、地方は給料が低い傾向にあるようです。都会と比べると地方は家賃が低めで、給料が低いからといって暮らしにくいとはかぎりませんが、高収入を目標とするのであれば、地方は不利です。地方でしかできない仕事であればともかく、IT系の仕事であれば、地方の会社が都会の会社との給料格差を埋めるのは簡単ではありません。
実際、鳥取県や高知県はSEの平均年収が約370万円とかなり低く、一方で東京都ではSEの平均年収は約570万円に達しています。
年収が高い会社で働きたいのであれば、東京都やその近郊などで就職先を探すことが大事です。また、会社の規模と平均年収は比例する傾向があるので、従業員1000人以上の大きな会社は狙い目です。

IT化が進む現代においてシステム開発は多くの企業で避けて通ることはできない重大なテーマとなっています。
システム開発は複数の工程から構成されるのですが、おおまかには上流工程と下流工程に分類することが可能です。

このうち、上流工程というのは、要件定義や設計などといったプロセスから成り、主に顧客とのやり取りを通じて彼らがシステムに求めている機能を洗い出して整理したり、それを実際にどのようにプログラムに落とし込んでいくかを検討したりといった作業が中心となります。
そのため、SEの仕事として思い浮かぶことの多いプログラミングはまだこの段階では行いません。
しかし、だからといってこの上流工程がやりがいを感じることができない仕事であるという訳ではないのです。

上流工程はSEにとって最も密に顧客とコミュニケーションを取れる機会です。
顧客が実務で抱えている課題を直に見聞きすることで現状を把握しやすく、キャリアを形成する上においても非常に有用であることでしょう。
また、顧客の要望が正確に設計に落とし込まれていないままシステム開発が進められると、出来上がったシステムが顧客の求めるものとは乖離しているということにもなりかねず、そうなると後から訴訟などのトラブルに発展する可能性が高まります。
そのような事態を避けるためには、上流工程においていかに正確に顧客の要望を見える化できるかがポイントであり、それを担うSEには責任とともに大きなやりがいがあるという訳です。

システム開発の仕事は、大きく上流工程と下流工程に分かれます。
分かりやすくいえば、上流工程はどんなものを作るか、どうやって作るかを決める工程であり、下流工程は実際にものを作る工程になります。
会社にもよりますが、上流工程を担当する人をSE(システムエンジニア)、下流工程を担当する人をPG(プログラマ)と呼ぶことが一般的です。
上流工程の仕事は、システムの価値と品質を決める、非常に重要なものです。

システムがどのように動作するか、つまりどんなものを作るかを決める行為を外部仕様策定と一般的に呼びますが、この作業がユーザにとってのシステムの価値を決めることになります。
ユーザが本当にやりたいこと、価値を感じることを、システムが実現できるかどうかは、SEが良い外部仕様を策定できるかにかかっています。
また、システムが動作する仕組みをどのように構築していくか、すなわちどうやって作るかを決める行為を内部仕様策定や基本設計と呼びますが、この作業の質によって、市場リリース後にシステムが持つ不具合、いわゆるバグの数や、処理速度などの性能が決まることになります。
つまり、システムの価値とクオリティ、もっと言うとユーザーにとってのシステムの使い易さはSEの仕事で決まると言ってもよいのです。
そのため、システムがユーザにとって有用なものと認められることは、SEの頑張りと言えるでしょう。
SEのやりがいは、ユーザに喜んでもらうことにあるのです。